2007-02-15から1日間の記事一覧

●創作の裏側と読書の裏側の共通項。

毎回、芥川賞作品を読んでいて疑問に思うことがある。最終的に選考委員の手元に上がってくる、五つくらいの作品が、これまでにどんな理由で選ばれているのかもそうだが、この最終段階での選考委員、個人個人の思惑にもよるだろうはずの、この結果がどんな理…

 ●芥川賞作品読みのあいまに。

文芸誌「群像」の今月号に、ローランド・ケルツの「なぜ日本文学はアメリカで読まれているのか」という「講演」の翻訳が掲載されていた。これを読む限りにおいては、日本文学は決して悲観的な状態でないのが読み取れる。我々は、内側にいるのでその現状があ…

●真の意味でのサイエンス・フィクションは我々読者をどこへ導くか。

読む側(鑑賞する側)から、「表現物」というものの全体を、とりわけ芸術作品とよばれているものの全体を、歴史的にも鑑賞法からも、その「真偽」の詮索にかかわって統括的に把握するのが、茂木健一郎の視点だとすれば、それでは創作する側、作る側からもこ…