2007-02-21から1日間の記事一覧

 ●「赤頭巾ちゃん気をつけて」が「パクリ」と思っている読者へ

芥川賞作品の一回目から、六十一回目のこの「赤頭巾ちゃん気をつけて」までは、「このような日本語」で表現された作品はなかった。この作品までは、である。作品そのものを読む限り「このような日本語」を庄司薫は、意識的にかどうかは別にして、過去の65…

●「赤頭巾ちゃん気をつけて」庄司薫

芥川賞作品の最近の若い作者の「文体」傾向の特徴は幾つかある。それは、小説表現が目指した「言文一致」が過去の作家の表現と比べて高度に進んでいること。限りなく「私」の感情感覚に密に接近していること。従って、モチーフやテーマを思考するとき、深く…